大好きだから大丈夫

最初で最後の婚外恋愛(ただいま遠距離)

知らないヒト

やっと彼に会えた日のこと

夢みたいだった時間


ステキな思い出を、忘れないように、残しておけるように

たくさんの言葉を集めて書きかけた下書き


全部消去した

もう書けないかもしれない


書かないで忘れてしまえば、もうそれでいいのかな

思い出なんて



せっかく会えたのに、前の週の電話の続きで、ホテルに向かう車の中でケンカみたいになって、ホテルに着いてからもしばらく冷たい空気で言い争いをして、ふたりっきりでいられるのに悲しくてしょうがなかったこと


2ヶ月ぶりにやっと会えたのに、会ってから4時間くらい過ぎて、やっと少し酔った私から抱きつくまで、彼からはハグもキスもしてくれなくて、さみしかったこと



こんな、忘れてしまいたいようなことしか思い出せない



彼も、こんなの読んでいなかったって、月曜日の電話でわかった

彼には、こんなの読んでる暇はないらしい



私を好きだと言ってくれた彼

私の声が聞きたくてたまらないと言ってくれた彼

もういないのかもしれない



月曜日、電話の向こうにいたのは、私の知らないヒトだったのかもしれない


聞きたいことがあるから電話してほしいと言われて、仕方なく電話してくれただけ



私が聞きたかったこと


彼が話してくれた予定の中に、気になる日があったから、ダメ元で、その日会えないかと提案したかった


私「○日の○○の予定の日って、それが終わったら・・・」

彼「仕事行く」

私「あぁ・・・そうなんだ、聞きたかったのはそれだけ・・・早く終わったら会えるかなぁって」

彼「そんだけ?終わっちゃった?」

私「えぇーと・・・会えないんだよね」

彼「仕事行くからなぁ」


たったこれだけの会話


こんな断り方しないでってずっとお願いしてたことも、覚えてないのは、知らないヒトだったからかもしれない


その後、めんどくさそうな声で、さっき食べたラーメンの話なんかして


たったの数分


私が少し黙り込むと、冷たい声で「帰るわ」と


「帰るわ」と告げられて悲しくなった私が、無言のまま電話を切っても、気にすることもない


悲しすぎて

「大好きもなにもなし かなしいです」

とLINEした



お仕事終わりに電話してもらうはずが、急きょ飲み会になったと連絡があり、4時間前から時間配分を考えて、準備して

「○時○分に電話するよ」

と連絡があった後は、声が聞けると思うだけで胸が踊るような気持ちで、30分待ってた


たった数分の電話を


それほど酔っていなかった

電話してほしいと言われなければ、きっとそのまま帰っていたんだろう



電話を切った後は、聞いたばかりの冷たい声が耳から離れず、何も手につかない

誰もいなかったら、泣きたかった


眠ろうとすると涙が止まらなくなった

考えてばかりで眠れない




会えた時

あんなに愛し合って、見つめ合って笑った

そして離れ離れになって、その後はじめて聞く私の声


聞きたい音じゃなかったんだ


早く電話を終わらせて、帰りたくなるような、そんな音だったんだ



文字はめんどうな彼だから

何もなくても気にしない


電話の声なら伝わるだろう

それだけが今の私の支えだから


それなのに、その手段でも伝わらない


電話の向こうに、あんな、私の知らないヒトしかいないなんて



この先いつまで続くのかわからない、彼に会えない毎日


どうしたらいいのかな



こんなのを、あとどのくらい続けていくんだろう




知らないヒトじゃない、あの人

私の大切な人


彼のことが、どうしようもなく好きなんだけど

もう、電話の向こうにすらいなかった




旅行がなくなったことが悲しいのは私だけ

彼はきっと、つかなきゃいけなかった嘘がひとつなくなったことに、ホッとしているだけ


あの電話の後

どんなにグルグル考えて、何度考えてもこの答えにたどり着いてしまう

いつまでも前に進めない

しかも、考えることをやめられない

何をしていても




火曜日の夜

まだ耳に残る冷たい声

電話を切った後のやりきれない気持ちのまま


LINEの彼のトークルームを開いたり閉じたりして


何度も迷ってたのに、結局、0時を回る頃に送信した


「あなたがこの間

なんで連絡がないと不安になるのかと私に聞いたけど

その答えはね

私たちには将来の約束なんて何もないからです

いつでも消えてなくなるような関係だからです

「好き」な気持ちを信じ合えていても

「好き」だけではどうにもできないことばかりだからです

それが少しでもわかってもらえたら

私の気持ちも少しは救われます

多分、この関係をやめない限り

それか、どちらかが死なない限り

ずっと不安なんだと思います

こんな私です

コワイと思うなら

イヤだと思うなら

逃げればいいよ」


「それに

あなたは

配偶者のことを

ちゃんと愛しているからです」


「それでも

好きなんだよ

あなたのことだけが」


「嘘、つかなくてよくなって

よかったね

私だけががまんすれば

全部うまくいくんだね」



そして、彼からは、ただ毎朝「(私の名前)」だけが届く

あんなLINEを目にした朝も、変わらず


その文字まで、冷たく感じてしまう



知らないヒトは、私のことなんて、なんにもわかってない


知らないヒトのことなんて、私だって、なんにもわからない



知らないヒトじゃない、彼のことが恋しくて

心のバランスがめちゃくちゃで

どうしたらいいのか、わからない



『今度彼に会える時は、きっと、もう新しい年になっている

会えない間に、ふたりともひとつずつ年をとっているかもしれない

もしかすると、季節が変わっているかもしれない』


自分の書いた文章が、ものすごく重くのしかかる




お仕事が大変だと、たくさん話してくれたけど

私の気持ちだって、ものすごく大変なんだけど


こんなのは、ただのワガママなのか




丸二日間

何をやってもバカみたいな失敗ばかりして


私、なにやってるんだろう