大好きだから大丈夫

最初で最後の婚外恋愛(遠距離)

ペアウォッチ

昨年末のデートの日


その日は彼の誕生日の数日後だった

私は彼への誕生日プレゼントを用意していて、お部屋で、乾杯をした時に渡した



お昼ご飯を食べている時

まだプレゼントのことは彼には内緒だったので


彼「車の中の、あの紙袋には何が入ってるの?」

私「えーと、コスプレの衣装(笑)」

彼「マジか、早く見たいなぁ」


なんて、笑っていた


その日彼にプレゼントしたものではなく、私が本当にプレゼントしたかったものが、その時頭をよぎって


「おそろいの時計がほしいな〜」

なんて、思わず口走っていた


彼との、ペアウォッチ

いつかほしいなって、決めてるのがある

でも、今はちょっと難しそう

きっと、プレゼントしても、彼はつけられないと思う



私がそう言ったのを聞いて


「おそろいの時計?昔、買ったじゃないか、○○(私の地元)の駅前の時計屋で、覚えてないのか?」


と、彼が言った


20数年前の、その昔

彼が私の地元に遊びに来てくれて、デートをした時

ふたりで、腕時計を買ったらしい


彼が言うには、何の変哲もない、フツーの時計

男女でサイズが違う、ベルトが皮の、ただただフツーの、ペアウォッチ

そんなのを、ふたりで一緒に買ったらしい


私の記憶をたどっても、その記憶はどこにもない


その時計を持っていたことも覚えていないんだから、今どこにあるのかも、わかるわけがない


捨てちゃったのかな


彼も、もう持っていないって



その駅前に、今はもうなくなったけれど、大きな時計屋さんがあったのは私も覚えている

しかも、彼は、その時計屋さんの名前まで覚えていた


本当に驚いた



その時計を、ふたりとも大切に持っていて、再会した後に見せ合えたりしてたら、それこそ本当にドラマチックだっただろうけど


そうはいかなかった

残念



だけど

私が覚えていないことを、彼が覚えていてくれること

他にもたくさんあって

それを彼が話してくれて、私が驚く瞬間は、本当に幸せ


まるで彼が、私との思い出を、大切に大切に心の中にしまっておいてくれたようで

そして、それを、そーっと出して見せてくれたようで


その思い出と一緒に、私のことも、ずっと心の中に大切にしまっておいてくれたんだなって



彼の記憶の中の、そのペアウォッチ

ふたつとも、もう、どこかへ行ってしまったけれど

とっても、とっても、愛おしい


私は覚えていなかったけれど、ふたりでその話ができたから

その時計を買った、その思い出が、ふたりの大切な宝物になった



覚えていてくれて、ありがとう


大切に、しまっておいてくれて

本当に、ありがとう