大好きだから大丈夫

最初で最後の婚外恋愛(遠距離)

私の相棒

彼からもらった指輪


もう何年も前に結婚指輪を失くしてしまった私の、左手の薬指にある


この指輪を彼にはじめてはめてもらった日から、もうすぐ1年



もらったその日は、私の誕生日のちょうど1ヶ月後だった


去年の私の誕生日、彼のお部屋でお祝いをしてもらった後、会えない日が続いていて、やっと会えた1ヶ月ぶりのその日だった


その少し前、私が会える予定を伝えた日を彼に断られたことで、私は例のごとく、めちゃくちゃすねていた

今思うと本当にくだらないことで、毎回私ひとりが大騒ぎして、そのたびに彼を呆れさせ、疲れさせていた

どうしてもその日に会いたかった私は、彼を責めるようなメッセージをたくさん送っていたと思う

いくら私がジタバタしても、泣いてもわめいても、結局その日には会えず、私は機嫌を損ねたまま


それでも、ちゃんとお店に指輪を取りに行ってくれた彼からのLINE(その頃は「おはようございます」とくれたりくれなかったりだった)を、すねていた私は、3日間未読のままにしていた


そして、3日目、彼からメールが届いた


「こんにちは(私の名前)

ラインしても見てもらえず

(私の名前)と再会してからを思い出してます

あなたから電話があったのは8月の終わり、とてもうれしかったです

それから、○○○の路駐、△△で会い、また(私の名前)の家の近くの☆☆でケンカ別れをしたり

やっぱり誕生日に行った○○は、本当に楽しかったです

(行った場所の街の名前とお店の名前を順番にいくつも書いてくれた)

俺がすねた後の飲み屋

お互いに酔いケーキの上の**(彼の歳)翌朝の甘いコーヒー、本当に楽しかった

年末俺の部屋でクリスマス、(私の名前)の誕生日

もう一生忘れない二人だけの思い出ができました

このメールも読んでくれるかわかりませんが、一つお願いがあります

指輪は先週とりにいきました

(私の名前)に手渡ししたいのです

いろいろメールしてすみませんでした

連絡をお待ちしています」


今読んでも、何度読んでも、涙が出てくる、大切なメール

彼が今までに私にくれた、最長のメッセージ


指輪と同じくらい、私にとっては宝物


彼がこのメールで私の心を溶かしてくれたおかげで、その後無事会うことができて、指輪をもらえることになった



彼のお部屋でたくさん愛し合った後

裸のままふたり並んで、横になっていた

私「はやく見たいなぁ」

彼「なに?あ、そうだ、忘れてた」

彼は、裸のまま指輪を取りに行き

「記念になるから裸で渡そうか」

と言って、指輪をケースから出して見せてくれた


薄暗いお部屋で、ふたりとも裸で向き合って座り、私は、彼の指先にキラキラ光る指輪をじっと見つめながら

「どの指にはめたい?」

と、指先を広げて、手の甲を上にして彼の前に差し出すと

「この指〜」

と、迷わず左手の薬指にその指輪をはめてくれた


あの日から、もうすぐ1年



あの頃の私は、常に気持ちが不安定で、彼のいちばんになりたい、ずっと彼を自分だけのものにしておきたい、と必死だった

だけど、彼の気持ちを心から信じることができなくて、会えない時間はいつも苦しかった


いつか彼とは離れてしまうかもしれない、それは、もしかすると彼の単身赴任が終わる時かもしれない

そんなことを考えたことも何度もあった

彼の気持ちにまったく自信が持てなかったから


そして、指輪をもらってからも、もし彼とお別れする日が来たとしても、私にはこの指輪があるから、なんて、悲しいことを考えることもあった


だけど、あれからもうすぐ1年



お別れの日になるかもしれないと思っていたその日、私たちは一緒にいた

汗だくになって、一緒にお掃除して、荷造りをした

抱き合ってふたりで泣いた

並んでラーメンを食べて、一緒に笑った

「また会おうね」と、かたい握手をした


そして、今も繋がっている



とても結婚指輪とは思えない、ゴツゴツとした、シルバーの、ちょっと変わった形のその指輪

いろんなところにぶつけると「ガツン」と大きな音を立てるほど、本当にゴツい


彼と離れている時間は、これが私の相棒

片時も離れない

ずっと一緒