大好きだから大丈夫

最初で最後の婚外恋愛(ただいま遠距離)

彼と、お酒と、キスの夜

待ち遠しくてたまらなかった

2か月ちょっとぶりのデートの日




前日は、深夜まで飲んでいた彼

ろれつが回らないくらい出来上がってるのに、ホテルに戻ると、忘れずに電話をくれた


「お前の声、本当にかわいいなぁ」

と10回くらい言ってもらって、私はすっかりのぼせ上がり

「お前、明日何時に来れる?ちゃんと場所わかる?ひとりでちゃんと来れる?」

と10回くらい聞かれて、私は飽きることなく何度も同じお返事をして、それがうれしかった



そして、翌朝の彼は、私からの15回のモーニングコールでは起きず、予定時間を25分過ぎたところで、最後の手段、ホテルのフロントに電話をかけ、お部屋につないでもらって、やっと起きた

たくさん飲みそうな日は、部屋番号も確認済


フロントマンに「どちら様ですか?」と聞かれ「家族です」と答えたけれど、こんな時くらい堂々と「妻です」って言えばよかったな、と、後悔したりして


電話に出た彼は、まだ酔いが覚めていなくて

「早く用意しないと!」

とせかす私に

「朝のお前の声は、ホントにサイコーだな、大好きだよ〜」

と、まだご機嫌で


私は朝からとってもうれしかったけど

そんな調子で、お仕事、大丈夫?




そして、いよいよ待ちに待ったデート



彼は予約の時間の10分前くらいにお店に着くけど、私に先に行って待ってるように、と言っていた


私は、彼より先に行って、お店に入ってから

「ごめん、遅れそう!」

とLINEして、お店に入ってきた彼を驚かせようと計画して、楽しみにしてた


もうすぐ彼に会えるドキドキで、いてもたってもいられず、予定より1本早い電車に乗り、お店の最寄駅へ


彼と同じような格好のサラリーマンだらけの改札口を抜け、お店に向かう


このたくさんのサラリーマンの中に、まさか彼、いないよね〜、まだずいぶん早いし

・・・とキョロキョロしていたら、さっき抜けた改札口に、彼を見つけてしまった


すご〜い!いた!

ホンモノだ!

ホンモノの彼


彼はまだ気づいてない


とっさに壁の柱に隠れて、少しだけ顔を出すと、一瞬目が合った気がして、また隠れる


そろそろ来た?というところで柱から一歩踏み出したら、ビックリした顔で立ち止まる彼

「お〜い!お前・・・」

とニヤけてる、うれしそう


彼が、大好きな彼が、目の前にいる


彼の名前を叫びたい

抱きつきたい

キスしたい

今すぐにでも


ここは、私の住む街、彼の前の職場がある街

知り合いがいる可能性は高め


まだ何も話さないまま、車道の右側と左側に離れて、お互いの姿をチラチラ見ながら、ニヤニヤしながらお店に向かう


予約の時間より20分も早く、二人揃ってお店に到着

すぐに個室に案内された

座席がL字型の個室


彼は、彼の誕生日の時にふたりで飲んだお店と同じような、ちゃんと戸が閉まる完全な個室だと思っていたのに、案内された個室は、簾で仕切られただけの個室で

「なんだよ〜、これかぁ」

と、かなりガッカリしてた


私「丸見えだね、エッチなことできないね〜」

彼「なんだよ〜、ダメだなぁ、これじゃあ」

ガッカリしすぎてて、カワイすぎる


テーブルよりも10cm上くらいのところまでしか下がらない簾を、途中でお店の人に

「これ、もう少し下がりませんか?」

なんて聞いたりして、必死な彼

「これ以上は・・スミマセン」

と断られて、またガッカリ


でも、お店にいられる時間が、予定では2時間のところ、2時間20分になった

たったの20分だけど

「よかったね〜」

とふたりで喜んだ



改札口で会っちゃったから、はじめの私の計画がダメになったこと

あんなにたくさんのサラリーマンの中から、すぐに彼を見つけ出した、私の彼への愛情の深さはスゴイこと

今日の彼のメガネが、私のお気に入りのと違うこと

この2ヶ月ちょっとの間で、今日の私がいちばん元気だということ


話したくて話したくて、話したいことが全然止まらない私の顔を、じーっとうれしそうに笑って見つめてくれる


あんまりじっと見つめるから、彼の視線だけでドキドキしてきて、少し話すのを止めると

「お前、2ヶ月も、よくガマンしてがんばったな」

と、私の頭をなでてくれた


私「がんばったよ、大好きだから、なんでこんなに好きなんだろ」

彼「な、そう思うだろ?なんでこんなオッサンを、そんなに好きなの、お前は、会ってみたらただのオッサンだろ?ガッカリだろ?」

私「(彼の目をじっと見て)会ってみたら、やっぱり大好き、ずっと好き」

彼「(私の目をじーっと見つめてから)かわいいなぁ、お前」


ビールで乾杯

彼が頼んでくれた美味しい料理を食べながら


何話そうか?

話したいことは、なんだっけ?


黙って見つめ合ってたら

たまらなくなって


彼の顔がどんどん近づいて


キス


2か月ぶりのキス

はじめてのキスくらい、すごくドキドキした


彼の好きな日本酒を飲んで

だんだん酔ってきた彼

ワンピースの裾からゆっくり手を入れて、目を瞑って、私の太ももをなでながら

「今5本の指先に集中してるから黙ってて、この感触、覚えとかないと」

だんだん手が奥の方に

「やだ〜、やめて〜」

とイヤがる私に、目を瞑ったまま

「あと5cmだけ足開いて」

おかしくて、かわいくて

言われたとおりにしてあげた

「うわぁ〜、つるんつるんだなぁ、たまらんなぁ・・・ダメだ、ガマンできなくなる」

と触るのをやめて

「ダメだ、ダメだ」

と飲み直す


こんなこと何回も繰り返してたけど

向かい側の席に人が入ってしまい、足元が丸見えなので、お触り終了


でも、ずっと足をくっつけて、手を繋いで


たくさん話して、たくさん飲んで、たくさん大笑いして、軽いキスをたくさんして


私の左手首をつかんで

「コレ、見せて」

と、すごく愛おしそうな目で私の薬指の指輪を見つめた後

「あ、ほらほら」

と、彼が自分の左手の上に私の左手を重ねて

「一緒だね〜」

と、結婚線の確認もしてくれた



次のデートの、彼のプランを話してくれた


お休みをとって、会いに来てくれる


そのデートのプランを詳しく話してる途中、私の、うれしすぎて泣きそうな顔に気づいて、しまった、という顔をして

「あ〜、言っちゃった、酔っ払ってるからダメだ、ナイショにしとこうと思ったのに」

私はもう、泣きながら

「うれしいよぉ」


近いうちにまた会える

それだけで、今日は少しの時間でも、すごく楽しめるよ


ありがとう



時間が来て、そろそろお店を出る頃

「もう、見えてもいいや」

と、彼

ずっと繋いでた手じゃない方の、私の手首を強めにつかんで、彼の背中の方にぐっと引っ張って、私を引き寄せて、キスされた

手首をずっと離さないから、動けない私に、すごく激しいキス

体が溶けてしまいそうだった



お店を出た

あの思い出のアパート、見に行く?どうする?

彼は、もっと飲みたいみたいで、次のお店を探すけど、どこも混んでて


しばらく歩いた

手を繋ごうとすると「ダメだって」と逃げるので、彼のベルトを後ろからつかんだら

彼「じじぃの介護かよ」

私「はいはい、おじいちゃん、そっちじゃないですよ〜」

と、ふたりでゲラゲラ笑って


ビルとビルの間に広場を見つけた

長いベンチがたくさんあって、人もたくさんいる

私「ここで飲もうか?」

彼「そうするか、いいねぇ」


あのアパートへ行くのは、また今度


コンビニで、ハイボール2缶とチョコボールを買って、ベンチに座って


また乾杯


もうかなり酔っていて、何を話したかほとんど覚えてないけれど


酔った彼が、とにかく何度も繰り返し言うのは

「俺とお前は、会えなくたって大丈夫だろ?お互いこんなにずっと好きなんだから」

私の肩をたたきながら、とにかく何度も何度も言うから

「うん、そうだね、はい、はい」

と、笑って聞いていた


私の顔をまたじーっと見つめて

「かわいいなぁ、お前、あ〜、もうたまらん、ガマンできない、ムラムラする」

と言うので

「私も、もうずっとヤバイよ、今ならスルッと入るよ」

(酔ってるので、下品でスミマセン)

と言ったら、彼、ベンチから転げ落ちて大爆笑してた


他にも

「あの時のお前は本当にコワかったな〜、マジで」

なんて、ケンカした時のヒドかった私のことを彼が思い返して、どのケンカの私がコワかったかをランク付けされたり

ふたりして下品な話が止まらなかったり

ずっと大笑いしてた


かと思えば

「引越しの日、からっぽの部屋で床を拭いてたお前の後ろ姿が、ずっと目に焼き付いてるんだ」

なんて、たまにしんみりしてみたり


お互いの子供達の将来のことなんかまで話してみたり


とにかくずっと話してて、時間があっという間に過ぎてしまった



少し慌てて駅に向かった

人が少ない場所を選んで歩くけど、かたくなに手は繋がせてくれないので、また「じじぃの介護」の格好で歩く


彼が

「こっちこっち」

とエスカレーターの方へ

「ちゅ〜したいから」

と、上がったところに、キスできる場所が・・・あるはずだった

「あれぇ、変わっちゃったなぁ」

人のいない暗がりのはずが、ビルがひとつ増えたせいで連絡通路になり、明るくて人通りの多い場所になってしまってた


でも、そこでキスしようと決めてた彼、酔ってるし、もう止まらなくなっちゃったのか、できる限り暗い場所まで私を引っ張って行き、私を抱きしめて、すごく強引なキスをしてくれた



彼の乗る電車の改札の方へ向かって歩く

酔ってるから、もうすぐバイバイすることも忘れて、ずっと笑いながら


その途中、私が乗る電車の改札に繋がる階段の前で、彼が立ち止まり

彼「もう、ここから行きな」

私「やだ、見送りたい」

彼「いいから、俺が見送るから」

私「え〜、帰りたくない」

彼「また会えるから、大丈夫だから」


酔った自分の頭でも、彼の背中を見送るのはさみしいな、とわかったみたいで、素直に、見送ってもらうことにした


じゃあね、と歩き出し、階段まで、3度振り返ったけど、3度とも、ニコニコの彼が手を振ってくれて


彼から見えないところまで来たら、急に涙が出てきた


・・・デート、終わっちゃったな


しばらく泣きながら歩いて、電車に乗る前に泣きやんで

電車の中で、また泣けてきて、ずっと彼にLINEを送りながら帰った


「楽しすぎて涙が止まらないけど」

「ありがとう」

「ずっと大好き」

「ずっといたかった」

「会いに来てくれるの、待ってるね」

「思い出、今日も、ありがとうね」

「大好きだよ」

「ずっとあなたと一緒にいたいよ」

「ずっとね」


酔ってるから止まらなかった


自宅に着くと、電車の中の彼から

「今日もずっとかわいいよ」

「大好きだから」

と届いた


また私から

「着きました」

「ちゅ〜してくれて、うれしかった」

「今日はありがとう」


彼から

「よかった、無事帰って

また忘れない思い出ができて最高です」

「ありがと」

「おやすみ」

「大好き」




また思い出が増えたね


あなたとたくさん笑えて

私は本当に幸せ



あなたのことが大好き